プロローグ
- RIE
- 先生!
- 真栄里
- いきなり大声でどうした!
うるさいぞ! - RIE
- 読みました!
- 真栄里
- 何を?
- RIE
- 「入れ子を見極める<緋色の研究 編>シャーロック ホームズ・4」をです。
- 真栄里
- あぁ、良かったな。
- RIE
- いや、そこは、ありがとう、でしょ?
- 真栄里
- …
いや、別にRIEに読んでもらうために書いているわけじゃないんだが…。 - RIE
- で、質問です!
5文型ってナンですか?
必要ですか? - 真栄里
- いきなり核心かよ。
5文型ってナンですか?
- 真栄里
- 5文型って聞いたことないか?
- RIE
- ないです。
- 真栄里
- 英語の参考書でも「5文型」をきちんと説明しているものが最近少ないからなぁ。
本屋で、いろいろ物色してみたけど、ちゃんと説明していたのは1冊しか見つけられなかったな。 - RIE
- 「5文型」ってどういったもの?
- 真栄里
- 具体例を挙げてみるか。
1 The birds sing.
2 Karen is a teacher.
3 Karen kicked Michael.
4 Michael gave Karen a Christmas present.
5 Michael calls me RIE.
- RIE
- アルファベットばっかり…
フランス語ですか? - 真栄里
- …
英語に決まってるだろ! - RIE
- ジョーダンです、ジョーダン。
- 真栄里
- 意味が分からない単語はないだろうな。
- RIE
- さすがにないです!
- 真栄里
- 上から順に、意味は、
1 鳥がさえずっています。
2 カレンは先生です。
3 カレンはマイケルを蹴りました。
4 マイケルはカレンにクリスマスプレゼントをあげました。
5 マイケルは私をリエと呼びます。
となる。 - RIE
- さすがに簡単すぎでしょう。
- 真栄里
- 英語の文法の勉強は、とても簡単な例文で理解するべきなんだよ。
- RIE
- 簡単な例文は試験に出ませんよ?
- 真栄里
- それはそうだ。
だが、いくら難しい例文を覚えても、試験にその例文がそのまま出るわけないんで。 - RIE
- そんなことしてたら頭がパンクする…。
- 真栄里
- それは、5文型が必要か?への回答にもなるから後で検討するとして。
上に挙げた5つの文が、5文型に対応しているんだ。
アルファベットに楔を打ち込む
- RIE
- ふ~ん…
ただアルファベットが並んでいるだけにしか見えない…。 - 真栄里
- 英語でつまずく人の多くがそういう感想を持つようだ。
アルファベットの羅列にしか見えないと英語は読めないな。
アルファベットの羅列に楔(くさび)を打ち込めるようにするのが英語の勉強だ! - RIE
- おぉ~、なんかいつもと違って少しカッコいいです。
- 真栄里
- いつもじゃないんだ…
- RIE
- そんなことより、楔はどうやって打てばいいんですか?
- 真栄里
- 楔をどうやって打つか…。
それは、5文型を含む文法の知識を習得する以外にはない! - RIE
- やっぱり…。
5文型って重要ですか? - 真栄里
- 5文型というのは、とても凄いんだ。
5文型を押さえておけば、ほぼすべての英文を読むことができるようになる。
たったの5つでだぞ! - RIE
- ほんとですか?
そんな魔法みたいなことってあります? - 真栄里
- 5文型をしっかり理解すれば、だぞ?
- RIE
- そういえば、さっきの5つの文って、どういうことですか?
- 真栄里
- 図式化すると、
1 SV
2 SVC
3 SVO
4 SVOO
5 SVOC
となる。 - RIE
- え~…
英語の説明で英語使ったら理解できないでしょう? - 真栄里
- じゃ、これでどうだ。
1 主語+動詞
2 主語+動詞+補語
3 主語+動詞+目的語
4 主語+動詞+目的語+目的語
5 主語+動詞+目的語+補語
- RIE
- 「補語」って?
- 真栄里
- 動詞の意味を完全にするために補われる語、のこと。
たとえば、
[Karen is a teacher.]
では、
[Karen]が主語
[is]が動詞
[a teacher]が補語
になる。
[is](である)と言われても、
「どう、であるの?」と思うだろ?
だからその「どう」の部分を補う語として「補語」があるんだ。 - RIE
- ふ~ん…。
でもですね、何が補語で、何が目的語で、何が主語かが分かんないんですよ。 - 真栄里
- …
そうなんだ…。 - RIE
- そうなんです。
どうやって見分けるんですか?
品詞に注目
- 真栄里
- 単語の「品詞」が重要な判断基準となる。
- RIE
- 「品詞」って、名詞とか形容詞とか副詞とか、ですか?
- 真栄里
- そう、それ!
品詞には、他にも、
代名詞
冠詞
動詞
助動詞
接続詞
前置詞
がある。
単語がこれらのどれに当たるかを知る必要がある。 - RIE
- ナンでですか?
覚えられないですけど…。 - 真栄里
- 品詞が分かれば、文型を見抜くことが容易になるんだよ。
単純化して言えば、
主語になることができるのは、名詞だ。
目的語になることができるのも、名詞だ。
さっき、5文型を紹介した。
たとえば、
主語+動詞+目的語
というのがあったな。
主語+動詞+目的語
を品詞に置き換えてみよう。
そうすると、こうなる。
名詞+動詞+名詞
- RIE
- まぁ、さっきの、
主語+動詞+目的語
よりはまだ分かる気がします。
でも、動詞の前と後ろに名詞があるからなぁ、よくわからない…。 - 真栄里
- いやいやいや、ちょっと考えてみろ!
動詞の前後に名詞がある場合、動詞の前にある名詞は主語で、動詞の直後にある名詞は目的語だろ?
主語+動詞+目的語
名詞+動詞+名詞
なんだから。
で、品詞という観点から上の5つの文型を定義しなおすと、次のようになる。
1 名詞+動詞
2 名詞+動詞+形容詞/名詞
3 名詞+動詞+名詞
4 名詞+動詞+名詞+名詞
5 名詞+動詞+名詞+形容詞/名詞
というぐあいだ。 - RIE
- そうなんだぁ。
主語+動詞+補語
が、
名詞+動詞+形容詞/名詞
になるということは、
「補語」になれるのは、形容詞か名詞、ということなんですね。 - 真栄里
- そういうこと!
動詞を中心にして、その前後にどういった品詞の単語が並んでいるかを調べればアルファベットの羅列に楔を打ち込むことができるだろ? - RIE
- なるほど、頭では分かりました。
ちなみに、辞書には、ある単語が主語とか目的語とか書いてあります? - 真栄里
- …
そんなこと書いてある辞書を見たことがあるのか?? - RIE
- さぁ?
意識したことがないのでわかりません…。 - 真栄里
- ある単語が主語なのか、目的語なのかはその単語が置かれた場所によって変わるんだよ。
だから、ある単語が主語だとか、目的語だとかを一義的に決めることができないんだ。
なので辞書にも、ある単語が主語だとかは書かれていない。
辞書に載っているのは、品詞だ。 - RIE
- じゃ、主語とか目的語ってナンですか?
- 真栄里
- 文中での他の単語との関係を示す概念だ。
要するに、「関係概念」(安井稔『英文法総覧 改訂版』(開拓社、1996年)16頁)なんだ。 - RIE
- はぁ…
- 真栄里
- ま、「関係概念」とかはさておき、要は、品詞に注目すればいいということだな。
そうすれば、文型を見抜くことが容易になる、というわけだ。
さらに言えば、文型を見抜くためには、たった3つの品詞(名詞、動詞、形容詞)にだけ注目すればいいんだよ!
簡単だろ? - RIE
- 簡単かどうかはさておき、
“3つの品詞にだけ注目すればいい”
というのは、なるほどです!
---続く---
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