一般的なノン・ネイティブの頭の中
【日→英】の翻訳、つまり英作文は、英語読解よりも難しいのが通常です。
英語の思考枠組がないと英作文はできません。
さて、【日→英】翻訳の際、我々ノン・ネイティブはどういう思考をたどるのでしょうか?
(1)日本語を確認
(2)日本語に対応する英単語を選択(単語選択)
(3)英語の語順に置き換え(置換)
というのが一般的な思考過程だと思います。
この思考過程では(2)と(3)が肝となります。
たとえば、
昨日、僕は公園へ行った。
という日本語を英語に翻訳する場合、
(2)単語選択では、
昨日=yesterday
僕=I
公園=a park
行った=went
と英単語を選択します。
これを英語の語順にします
(3)置換により、
I went to a park yesterday.
となります。
簡単ですね!
全ての日本語がこのように英語にすることができるなら何の問題もありません。
しかし、次の日本語はどうでしょう?
クラブ活動が忙しい。
(2)単語選択では、
クラブ活動=club activities
忙しい=busy
(3)置換により、
Club activities are busy.
となります。
しかし、これでは外国人は「??」でしょう。
忙しいのは人間であって、「クラブ活動」が忙しいわけではないからです。
日本語としては自然であっても、それをそのまま翻訳すると不自然な英語になることが多々あります。
正しい翻訳の過程
自然な英語に翻訳されやすいように日本語を解釈して、英語を直訳した日本語風に構成し直す必要があります。
(1)-a日本語の解釈
(1)-b直訳的日本語に再構成
実は、(1)-a、(1)-bが最重要となってきます。
これによると、
(1)-a忙しいのは、クラブ活動をする私だ。
(1)-b私は、忙しい、クラブ活動で。
となります。
これを英語にすると、
I am busy with club activities.
となります。
英語の文型で言うと、
S+V+C
です。
【構造ベース思考】
実は、(2)単語選択以前に、日本語をどうするかが問題なのでした。
自然な日本語であればあるほど、英語への翻訳が難しくなるのです。
そこで、日本語を英語に翻訳する場合は、
英語に翻訳されやすいように、日本語に工夫を加える
ことが必要となります。
その際は、英語の『構造』を頭に置きながらその構造に合うように日本語を再構成します。
このサイトでは、便宜上、
英語の『構造』に基づき日本語で思考することを、
『構造ベース思考』
(A thinking method based on STRUCTURE of English)
と呼びます。
『構造』のことを、このサイトでは、
「主部(主語)」と「動詞」をワンセットにしたもの
と定義していますから、『構造ベース思考』とは、要するに
主語・動詞を基礎とする思考
のことを言います。
ここで想定している『構造』は、「主語(S)」と「動詞(V)」で構成される『構造』です。
この『構造』を中心に日本語で思考していくことができれば【日⇒英】の翻訳はやりやすくなります。
このサイトでは、英語の『構造』を強調するために、『構造』の要素である[ S ][ V ]以外の目的語[o]と補語[c]を、便宜上小文字にしています。
上記具体例で見てみます。
となります。
I(S) am(V) busy(c) with club activities(modifier).
という
【S + V + c(←m)】
になります。
[ Modifier ]は、修飾語(句)のことです。
[ with club activities ]は、[ busy ]を修飾(説明)しています。
どちらが先?
通常は、日本語ネイティブは【日本語の構造】で日本語を考え、英語ネイティブは、【英語の構造】で英語を考えます。
そして、日本語を英語に翻訳するには、【英語の構造】に則った【構造ベース思考】が必要になります。
その【構造ベース思考】のためには、当然【英語の構造】が分かっていなければなりません。
そうすると、【英語の構造】が理解できていないと、【日⇒英】の翻訳に困難を来すことになります。
ということは、日本語の再構成は日本語の問題ではありますが、【英語の構造】を理解することが日本語の再構成に先行することになります(下図参照)。
言い換えると、【英語の構造】で日本語を考えるわけです。
【英語の構造】で考えた日本語に対して、(2)単語選択、(3)置換という過程を経るのです。
(1)-a日本語の解釈
-b直訳的日本語に再構成←【英語の構造】
(2)単語選択
(3)置換
【日⇒英】翻訳をするにあたっては上記(1)(2)(3)全てが大切ですが、特に(1)は【日⇒英】翻訳の出発点です。ここでつまづくと、どうしようもありませんので、意識して注意しておく必要があります。
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