例文
This way people have of lining-up on the side of the undertaker makes the entire pharmacopoeia look silly.
今回は、【Have of 動名詞?<The Last Leaf 編>17】で扱いました英文の補論です。
[ Make A B ]
一般に使役動詞と呼ばれる構文です。
たとえば、次の文を検討してみます。
She made an apple pie.
”彼女は、アップルパイを作った”という意味です。
これに対して、使役動詞としての[ make ~ ]は、「(無理やり)~させる」という意味として理解されています。
つまり、[ make ]には、”作る”という意味と”(無理やり)~させる”という別の意味があると一般には理解されています。
ところが、それでは、[ make ]の意味を覚えることが大変です。英単語は[ make ]だけではありませんから、可能な限り多義的な意味を覚えるのは避けたいですね。
もちろん、英語ネイティブは、[ make ]にこの2つの意味があるとは認識していません。
それでは、英語ネイティブは[ make ]をどう理解しているのでしょうか?
[ make ]の原義
[ make ]の原義は、材料に手を加えて何か(具体物)を作る、という点にあります(E-Gate)。
She made an apple pie.
でしたら、彼女は、アップルパイの原材料である、リンゴ・小麦粉・バター・砂糖などに手を加えて(混ぜる、こねる、焼く)、アップルパイという具体的な物(具体物)を作るわけです。
[ make ]が持つ、この原義が使役動詞として機能する[ make ]にも投影されているのです。
[ make ]の比喩的拡張
[ make ]の原義は、材料に手を加えて具体物を作る、という点にあります。
その具体物が抽象化されて、人が何かをする状況に[ make ]の適用場面が拡張される(比喩的拡張)ことで、使役動詞として機能する[ make ]が誕生するわけです。
たとえば、
I made him go.
という例文でそのことを見てみましょう。
I made ~
で、”私は~を作った”となります。
何を作ったのか?というと、
him go
という状況です。
つまり、
”私は、彼が行くという状況を、作った”
のです。
私が、彼に手を加えて、彼が行くという状況を作った
ということが、
”私が彼を無理やり行かせた”
という使役の意味になるわけです。
具体物を作るという[ make ]の原義が、状況に拡張して適用される(比喩的拡張)ことで、使役動詞としての[ make ]が生まれます。
ですから、英語ネイティブからすると、[ make ]が使役動詞として機能する場合であっても、”作る”という[ make ]の意味に変更はないわけです。
[ make □□]なのか?
使役動詞として機能する[ make ]は、[ make ]の直後にスロットが2つあるとイメージされているのが一般的です。[ make A B ]と表記されているのがその証拠です。
しかし、[ make □□ ]とスロットが2つあるとイメージするよりも、[ make ▭ ]と1つのスロットがあるというイメージを持つ方が理解しやすいと思います。
I made him go.
ではなくて、
I made him go.
とイメージする方が、[ make ]の原義を保持しつつ使役動詞として機能する[ make ]の意味を理解しやすいと思います。
和訳
This way people have of lining-up on the side of the undertaker makes the entire pharmacopoeia look silly.
の和訳は、
葬儀屋の側に並ぶという人々のやり方は、作る、すべての薬がばかばかしいものに見える状況を。
ということになります。
つまり、
葬儀屋の側に並ぶという人々のやり方は、すべての薬がばかばかしいものに見える状況を作る。
=
葬儀屋の側に並ぶという人々のやり方は、全ての薬の効能を失わせる。
という意味になるわけです。
---<The Last Leaf 編>17(補論)・終---
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