目次
例文
Then she swaggered into Johnsy’s room with her drawing board, whistling ragtime.
引き続き『THE LAST LEAF』です。
単語の意味
・swagger=肩で風を切って歩く。元気よく歩く(自動)
・drawing board=画板(名)
・whistle=~を口笛で吹く(他動)
・ragtime=ジャズ(名)
[ whistle ]には、
”口笛を吹く”という自動詞の意味と、
”~を口笛で吹く”という他動詞の意味があります。
ここでは、[ whistle ]は他動詞です。なぜなら、[ whistle ]の直後に[ ragtime ]が直接おかれているからです。
[ whistle ragtime ]は、”ジャズを口笛で吹く”という意味になります。
『構造』
Then she swaggered into Johnsy’s room with her drawing board, whistling ragtime.
『構造』は容易に分かったと思います。
[ ~, whistling ragtime. ]現在分詞
これは、現在分詞です。
”ジャズを口笛で吹きながら”という意味です。
”~しながら”という現在分詞は、同時並行で複数の行為をしていることを表す表現ですから、この”ジャズを口笛で吹きながら”というのは、この文のもう一つの行為である、[ swagger ]を修飾していることになります。
修飾される語([ swaggered ])が離れた場所にあるので注意が必要です。
[~ she swaggered into Johnsy’s room ~ ]
[ swagger ]は”肩で風を切って歩く”という自動詞です。
この文を直訳すると、
彼女(Sue)は、肩で風を切って歩いた、ジョンジーの部屋の中へ
となります。
自然な日本語にすると、
スーは、ジョンジーの部屋の中へ、肩で風を切って歩いて入っていった
となります。
しかし、[ swagger ]は、(肩で風を切って)歩くという動作を表す単語で、この単語自体には、歩いて入っていったという移動の意味はありません。
ところが、[ swagger ]と[ into ]という前置詞が連語となることで、”(肩で風を切って)歩いて~の中へ入っていった”という意味になります。
これも、前回紹介をした構文文法論にいう「自動詞移動構文」([著]A E. ゴールドバーグ[訳]川上誓作/早瀬尚子/谷口一美/堀田優子『構文文法論 英語構文への認知的アプローチ』(研究社・2001年)215頁)と考えると分かりやすいと思います。
この「自動詞移動構文」は、
語彙的には移動を表さない動詞に、移動の解釈を付け加えるもの([著]A E. ゴールドバーグ[訳]川上誓作/早瀬尚子/谷口一美/堀田優子『構文文法論 英語構文への認知的アプローチ』(研究社・2001年)215頁)
ですから、
swagger + into Johnsy’s room
↓
[swagger] + [into+場所]
で、場所の中へ歩いて入っていく、という意味になります。
和訳
直訳調だと、
それから、彼女(スー)は、肩で風を切って歩いた、ジョンジーの部屋の中へ、画板を持って、ジャズの口笛を吹きながら。
自然な日本語にすると、
それから、彼女(スー)は、画板を持ち、ジャズの口笛を吹きながら、元気よくジョンジーの部屋の中へ入っていった。
となります。
---<The Last Leaf 編>26・終---
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