目次
例文
Using data from 558 previous studies over a period of 35 years, this new research analyzed four work-related attitudes: the individual versus the group; the importance of hierarchy and status; avoiding risk and uncertainty; and competition versus group harmony.
東京大学2017年度の英語二次試験必修編の第4文目です。
これも一文が長いですね。
単語の意味
・previous(príːviəs)=前の(形)
・attitude(ǽtitùːd)=態度、考え方(名)
・hierarchy(háiərɑ̀ːrki)=階層
・avoid(əvɔ́id)=を避ける(他動)
特に難しい単語はないと思います。
構造
Using data from 558 previous studies over a period of 35 years, this new research analyzed four work-related attitudes: the individual versus the group; the importance of hierarchy and status; avoiding risk and uncertainty; and competition versus group harmony.
『構造』は上のようになります。
this new research analyzed ~
がこの文の骨です。
文法事項
[Using]
Using data from 558 previous studies over a period of 35 years,
の[Using]は何でしょうか?
文法的な可能性としては、3つあります。
1、現在進行形
2、現在分詞(分詞構文を含む)
3、動名詞
これらのうち、どれでしょうか?
まず、現在進行形でないことは見た目からして明らかです。
なぜなら、現在進行形の公式は、[be動詞+-ing]であるところ、[Using]の前に[be動詞]がないからです。
残る可能性は、2と3の二つです。
どちらでしょうか?
現在分詞とは?
分詞とは、動詞と形容詞の二つの機能を同時に持つ品詞です。
Rising sun
の[rising]が現在分詞です。
「上る」という動詞でありながら、同時に[sun]という名詞を説明する形容詞でもあります。
動名詞とは?
動名詞とは、動詞に[ing]を付けることで名詞として扱われる品詞です。
Running is fun.
の[Running]が動名詞です。
現在分詞と動名詞の相違点
どちらも、「動詞」の性質を持っている点で共通しています。
違いは、
分詞=動詞+形容詞
動名詞=(動詞+)名詞
という点です。
つまり、分詞は形容詞としても機能するのに対して、動名詞は、名詞なのです。
誤解を恐れずに大胆に言いますと、分詞は形容詞で、動名詞は名詞なのです(正確ではないですが、理解しやすさを優先しておきます)。
結局[Using]は現在分詞?動名詞?
結局、[Using]は現在分詞なのでしょうか?それとも動名詞なのでしょうか?
ここが本題です。
現在分詞も動名詞もどちらも動詞の性質を有していますから、通常の(他)動詞と同じく目的語を取ることができます。
Using data from 558 previous studies over a period of 35 years,
でも[data]という目的語があります。
ですので、[data]という目的語があるというだけではこの[Using]が現在分詞であるのか動名詞であるのか判別することができません。
そうであれば、残る判別方法は、[Using]が形容詞の働きをしているのか?、それとも名詞の働きをしているのか?ということで判別するしかありません。
[Using]が動名詞だとすると、
名詞は、
主語
目的語
補語
になりますから、[Using]は、主語か、目的語か、補語ということになります。
Using data from 558 previous studies over a period of 35 years,
を見ると、動詞が見当たりません。
[studies]が三人称単数現在の主語に対応する動詞[study]の変化形である可能性はありますが、ここではその可能性はありません。なぜなら、主語と仮定した[Using]は三単現扱いだからです。また、[previou]というのは形容詞ですからその直後にある[studies]は名詞で、[study]の複数形ということになります。
ということで上の文には動詞がありませんから[Using]は主語ではないことになります。
動詞がない以上、目的語が存在する可能性もありません。
また、動詞がない以上主語が存在することはなく、そうであれば主語を補足説明する補語が存在することもありません。
だから、この[Using]が動名詞である可能性はないことになります。
残る可能性は…?
そうすると、残った可能性は、現在分詞(分詞構文含む)ということになります。
ここで注意するのは、分詞は動詞でありながら同時に形容詞の働きもするのですから、前に名詞が存在するはずです。
しかし、
Using data from 558 previous studies over a period of 35 years,
では、[Using]の前には名詞どころか何も単語がありません。
そうすると、現在分詞でもないことになります。
ただ、ここで気を付けないといけないのは、上の文は、現在分詞ではないですが、分詞には、現在分詞・過去分詞に加えて、「(独立)分詞構文」という文法事項があるということです。
この文は、まさに「(独立)分詞構文」に該当します。
「(独立)分詞構文」の見分け方は簡単です。
「(独立)分詞構文」は、
-ing ~~~,
という形をしています。
Using data from 558 previous studies over a period of 35 years, this new research analyzed four work-related attitudes: the individual versus the group; the importance of hierarchy and status; avoiding risk and uncertainty; and competition versus group harmony.
の文では、赤字に注目してもらうと分かりますが、
Using ~~~,
となっています。
ですので、
Using data from 558 previous studies over a period of 35 years,
は「(独立)分詞構文」ということになります。
35年にもわたる558の先行研究からのデータを用いながら~
となります。
今回のポイント
今回の文法上のポイントは、[-ing]の見分け方です。
・現在進行形
・現在分詞(分詞構文含む)
・動名詞
[-ing]に関する文法事項を横断的に見渡して、どれに該当するのかをそれぞれの特徴を押さえながら実際の文で判断していく練習をすれば必ず英語の読解は容易になります。
---続---
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